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じゃあなりすと精神(笑)

2008/10/31 00:42

 

 政治的決断には、就中丁半是非を迫るやうな事柄には、どんなことであれ一丁一端がある。

 例へば今回の金融危機で欧米は協調利下げをし、日本もそれに強調するのではないかといふ観測が立ってゐる。まあ、不況では金利を下げ、好況≒インフレでは金利を上げるといのは経済のセオリーのやうな気もするが、これにしても「低金利のせゐで家計から利息収入が〇兆円減った」などと文句を垂れる者がゐる。

 もちろん、セオリーとはいへそのやうな問題点はあることを指摘する必要はあるが、ではそれで高利のままで経済的危機のなか利息だけがどんどん膨らみ倒産が続いても、利息収入さへ高ければ良いのか、それは金利生活者のやうな資産家にとっては良くても、中小企業やローンを抱へる庶民にとってどうなのか、といふ問題まで論じて、初めて公平な検討ができるのであって、「利息収入が〇兆円減った。だから庶民は益々苦しい」なんて方向に誘導するのは、悪質なデマゴギーと言はざるを得ない。「デフレは物が安くなって庶民にはいい面もある」と言ってのけた筑紫哲也が、経済的無知に基づいた妄言だったのか、プロパガンダだったのかは知らないけども。

 

 それはさておき、その気になればどんなものにだって文句をつけられる。批判をするのは簡単なのだ。それなら対案として出るものは本当に優れてゐるのか、対案についての批判はないのか。この検討まであって初めて「対案」たり得、対案を伴ってこそ初めて正当な「批判」たりうる。

 

 

 翻ってマスコミである。マスコミは権力を批判する存在といふ。それならまず自らが権力ではないのか、自らに批判される点はないのかといふ問題がでてくるが、これはいつも言ってゐる事なので今回は措くとしやう。

 

 麻生総理がバーで飲んだり、カップラーメンの値段が言へないから「庶民感覚がない」といって批判する。

 

 それはそれで良い。だが、選挙が近い(とマスコミがさんざん騒いでゐる)この時期に、そのやうな“批判”が、論者の意図を問はず野党を利するものであることは言ふまでもない。いや、この際「野党を利するもの」だととしても、それは報道の自由である。ではそれなら、野党には、例へば「次の総理」(を自称してゐる)小沢一郎氏には庶民感覚があるのか。鳩山由紀夫氏などはどうか。菅直人……は庶民といふか大衆だからまあいいや。そして何より、バーで飲まないことが「庶民感覚」なのか、そもそも「庶民感覚」とやらが政治家・首相としての資質たり得るか。

 ここまでの検討があって初めて「批判」と言へるのであって、それがないなら大衆の金持ちへの僻みを利用した政治的キャンペーンあるいはデマゴギーに過ぎない。

 

 

 民主主義はベストではなくベターを選ぶものである。ベストではないといふ時点で、必ず何かしら文句の生じる餘地は出てくる。となればマスコミの役目は、その文句を論ふことだけではなく、対案と比較しどちらが優れてゐるか、あるいは受忍すべき文句なのか否か、といったことを検討すべきである。(むろん、そこで“偏向”がでてしまふのは当然である。)

 さうした検討ができないなら、「政権に文句を付けて体制をひっくり返したいだけ」の「ええぢゃないか」に過ぎないし、どんなに記名記事だと誇らうとも、本質的に2ちゃんねらーの書き逃げと変はらない。署名記事でデマゴギーをすればそれは言論の自由で許されるべきものなのか。

 

 小沢氏が自由党の政治資金を解党時にポッポナイナイしたとか、鳩山由起夫がどう言ひ繕っても大金持ちで、軽井沢の大豪邸で高級ワインを飲んでゐても、それで良い政治をして頂けるならささやかな(と言っては難があるかもしれないが)贅沢だと思ふ。いいぢゃないか。自民党幹事長時代の小沢センセが、金丸マネーで高級料亭で飲み食ひしてたり、鳩山センセが、飯屋のフロアの9割を借り切って、一般人を避けて飲み食ひしてたって。ワンカップとアタリメの感覚で政治を語られるはうがよっぽど怖いし、居酒屋で飲んでみせることが政治家の資質として語られる風潮のはうがもっと怖い。

 

 マスコミは、「俺のペンで政治が動く!」みたいなくだらない政権交代妄執は本統に捨ててほしいと思ふ。どんなに政治批判・政府批判をしてくれても構はない。むしろやるべきところはジャンジャンやてほしい。だが批判をするなら与野党問はず公平に。これだけは、土下座をしてでもお願いしたい事柄なのだが、やっぱり無理ですかね。無理なんでせうね。

カテゴリ: コラむ    フォルダ: 人権・民主主義・近代国家

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コメント(1)

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2008/11/24 11:29

Commented by hinataneko さん

お久しぶりです。
多分、マスコミが自分を抑制し公平な立場で記事を書くのは殆ど無理なんじゃないでしょうか?
彼らの文章見ていると、ご指摘の通り「世論は自分が作ってやる」ですから。
まあ、これはマスコミに関わらず弁護士の先生達も同じかな?
元厚生次官ら連続殺傷についても「あれがテロじゃなくてなんだっていうんだ」なんて事件の詳細が分かる前に書いている某弁護士のブログに常連さんの書き込みあったけど、誰もまだ詳細の分かっていないのだからそういった決め付けはよくないというようなレスなかったですから。結局馬鹿の思い込みによる犯行ですよね、あれ。(犯人が発言したのではない、マスコミに触発されてなんていうのを先回りしての書き込みもあったりしましたし)
でも、そちらでもそうだったし、マスコミも勝手な決め付けでしたすみませんみたいな物見たことないですが。結局その方が色々と面白いのでそうだったら良いなという自分の願望を反映しただけのような気がします。
どっちにも共通しているのは無知な一般の人間の蒙を開いてやると言わんばかりの態度じゃないかな。それでいてそれが世間に及ぼした責任は一切取らない。
やっぱり、ああいう職業って責任やらなんやらを感じない人たちがやる職業なんでしょう。
それが我は正義なりと胸を張っている所が滑稽な気がします。いっそ、これ商売でやってますからと開き直るのであれば、逆に見直しますが(苦笑)

 
 
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